ごちうさ聖地巡礼記(63) 〜最終話〜 飛行機で帰国

ごちうさ聖地巡礼記(63) 〜最終話〜 飛行機で帰国

イスタンブールを経由し、日本へと帰国した

Yuri Chayamachi · 16 minute read

前回の記事

ニースからイスタンブールへ

およそ1週間にわたる長かった旅行もついにあと帰るだけとなり、私たちはニースにあるコート・ダジュール空港から帰りの飛行機に乗り込んだ。 乗り継ぎは1回あり、トルコのイスタンブール空港で乗り継ぐ予定だ。

帰りはトルコのターキッシュ航空の飛行機だった。 座席は革張りで豪華だ。

飛行機の窓からは空港の建物が見えた。 フランスもここで見納めだ。

出発前に、座席の背もたれについている画面に非常時の対応を説明する動画が流れたのだが、この動画が今まで見た中で最も作り込まれていた。 ディズニーを思わせるような3Dのアニメーションで、登場人物の表情や仕草がディズニー映画そっくりだった。

飛行機は離陸の時を迎えた。

飛行機が旋回する時に、青い地中海が見えた。

ここからは地球を東へ向けて飛んでいく。 地球の自転方向に逆らう方向へ移動するので、地上にいる時よりも昼と夜の長さが短くなる。 フランスから日本に帰るまでに、2回の夜を経験する予定だ。

飛んでいると、みるみるうちに日が暮れてきた。

そして水平線のあたりに綺麗な夕焼けが現れた。 高いところを飛んでいるからか、夕焼けが地表すれすれだけで起こっている様子を見ることが出来た。

そしてあっという間に日が暮れ、あたりは闇に包まれつつあった。

ちょうど日が暮れた頃に、機内食タイムがやってきた。 大体は「ビーフ or チキン?」と聞かれるところだが、トルコ航空では「パスタ or ビーフ?」と質問された。 私たちは先に帰った仲間からパスタが美味しかったということを聞いていたので、全員がパスタを注文した。

パスタはチーズクリームのようなものがかかっており、確かに美味しかった。

付け合わせはインゲンの煮物のようなものと、赤いベリー系のムースでどちらも美味しかった。

そして感動したのが、機内で焼きたてのパンが一人一人に配られたことだ。 トルコ航空の食事へのこだわりを感じた。

飲み物に何があるか聞いたところビールがあるようだったので注文してみた。 日本では売られていないビールだったので、頼んで正解だった。

最後にフランスで買って食べていなかったサンドイッチを食べた。 やはりフランスのサンドイッチはチーズとハムがしっかり入っていて美味しい。

乗り継ぎ地への到着時間が近づいてくると、下の方に明かりが見えてきた。 現地はちょうど0時くらいの深夜である。

さらに辺りは明るくなっていき、下を見るととんでもなく綺麗な夜景が広がっていた。 イスタンブールは大都会のようだった。 街の上にうっすらと雲がかかっており、街明かりが反射されて幻想的な雰囲気を出していた。

飛行機は無事にイスタンブール空港へと着陸した。

イスタンブール空港

イスタンブール空港に着いてまず驚いたのはその大きさだ。 到着ロビーが果てしなく続いており、右を見ても左を見ても終わりが見えない。

私たちは乗り換えなので、こちらの赤いゲートへと進んだ。 次に驚いたのが人の多さである。 乗り換えゲートで待っている人の数が数百人といたのだ。 これは行きで乗り継いだポーランドのワルシャワ空港の10倍くらいの数だった。

到着ロビーの窓際には「イスタンブールへようこそ」と書かれた飾りが置かれていた。 ロビーが巨大すぎて飾りがミニチュアのように見えた。

手荷物検査のレーンも非常に数が多く、大量の乗り継ぎ客をどんどん捌いていっていた。

手荷物検査を終え、私たちは出発ゲートへと向かうことにした。

出発ゲートへ向かう途中に売店エリアがあったのだが、私は再びその大きさに驚くことになった。

その辺のアリーナよりもはるかに広い空間に様々なお土産ショップが並んでおり、そして午前0時を過ぎているにもかかわらず全ての店が営業していたのである。 この光景からイスタンブールの凄まじいエネルギーを感じ、私は圧倒されてしまった。

長時間のフライトのことを考慮してか、シャワーコーナーも用意されていた。

お土産ショップの空間には木のような形をしたライトが並んでいたり、空間のデザインも秀逸だった。

ブランドの店は一戸建ての建物に入っており、まるで屋根の下に街があるようだった。

私は事前に海外に詳しいごちうさ仲間から教わった内容に、トルコの伝統菓子である「ターキッシュ・ディライト」というものがあるということを思い出し、お土産に買って帰ることにした。 空港お土産コーナーにはターキッシュ・ディライトの区画が用意されており、山のようにターキッシュ・ディライトの箱が積まれていた。 積まれた箱を眺めていると、スーツを着た男の店員が近づいてきて、試食をさせてくれた。 試食をした後「美味しいです」と伝えると、男の店員はガッツポーズをしながら「Turkey!!!」と大声で叫んで去っていった。 よほど自国のトルコに誇りを持っているのだろう。

ターキッシュ・ディライトは色々なメーカーが作っているようだったので、私は店員に「おすすめのメーカーはありますか?」と聞くと、Ikbal というメーカーのものをお勧めされた。 理由を聞いてみると、値段に対して最も内容量が多いからということだった。 私はこの店員さんを信じることにし、お勧めされたターキッシュ・ディライトのセットを買うことにした。

店員の接客やレジの店員の対応を見て気づいたことであるが、私はイスタンブール空港の店員が一度も接客中に笑顔を作っていないことに気づいた。 先ほどまで滞在していたフランスでは、お店に入る時と出る時に店員と笑顔で挨拶していたこともあり、あまりの対応の雰囲気の違いに塩対応をされているとさえ感じるほどだった。 しかし調べてみると、トルコでは「見知らぬ人に対しては笑顔を向けない」ことが良いとされるという国民性があるということだった(ソース)。 トルコ人は身近な人にしか笑顔を向けないようである。

また今回買った Ikbal のターキッシュ・ディライトであるが、帰国してから開けてみると個包装がされていないことに気がついた。 他のパッケージに比べてコスパが良かったのは、個包装にかかるコストがかかっていないからということのようだった。 なので、お土産で色々な人に配ることを考えている人は、写真に写っている HazelBaba などの個包装をされている商品をお勧めしたい。 味に関しては今回買った Ikbal の商品は非常に美味しく、お土産を分けた人の感想も好評だった。

お土産を買った後は、出発ゲートまで歩いて向かっていった。 途中にも多くの店があり、深夜にもかかわらず客で賑わっていた。

イスタンブール空港は本当に広く、出発ゲートまでかなり移動を要した。

空港内にはこのような機械が設置されており、SMS認証を行えば空港内の無料 wifi を利用できるようになっていた。

謎の遊び場のようなものもあった。

出発ゲートまで来ると先ほどの売店エリアよりは飾り付けが地味になったが、それでも植木やソファーが置かれているなど、居心地への配慮がなされていた。

イスタンブールから羽田へ

出発時刻になり、いよいよ日本へ向かう便に乗り込んだ。 当たり前ではあるが、周りは日本人がほとんどであり、もうすでに日本へ戻ってきたような気分になった。

座席は今度は布張りで、色使いがカラフルだった。

飛行機はイスタンブール空港を離陸し、雲の中へと入っていった。

離陸するとすぐに機内食タイムとなり、「パスタ or チキン?」と聞かれた。 前回の機内食で私たちは全員パスタを食べていたので、今回は全員がチキンを注文することになった。

チキンは脂身の少ない胸肉を焼いたもののようだった。

サイドメニューにはサラダと、それからもう一つ謎のメニューが付いてきた。 こちらの謎のメニューだが、大豆がベースのペーストのようで、上には甘いプルーンのようなものが乗っていた。 甘さや塩味があまり強くなく、素材の旨みが強く感じられる味で、なんの素材かは不明だったが私は結構好きだった。

しばらくすると空の上で朝を迎えた。

朝焼けが地平線の近くで見られて綺麗だった。 夕焼けと比べて朝焼けは眩しく感じられた。

朝焼けが消えると昼間である。 下には雲が広がっているが、雲の上はいい天気だ。

再び機内食タイムになった。 今度は軽い食事のようで、全員にホットサンドとオムレツが配られた。

付け合わせには野菜とチーズのサラダと、ヨーグルトのようなものが出てきた。 このヨーグルトのようなものだが甘さと塩味が混ざったような味で、上にはオリーブが乗っていた。 日本で食べる食事の概念にはない味だったが、私は結構好きだった。

そしてここでも焼きたてのパンが配られた。

機内食を食べ終わった頃には日が傾き始めていた。

上空は寒いのだろうか、窓には霜が付いていた。

日は見る見るうちに傾いていき、私たちは2度目の夜を迎えた。

そしていよいよ飛行機は到着地の東京へと近づいてきた。 下には街明かりが広がっていた。 やはり東京は明るい。

飛行機は無事に羽田へと到着した。

こうして1週間にわたるコルマール旅行は終わりを迎えた。 今回の旅行を通して、遥か遠くに感じていたごちうさの聖地であるヨーロッパには実際に行って来られるのだということを知った。 そして実際にこの目で見たコルマールは美しかった。

旅行
コルマール2023
ごちうさ