ごちうさ聖地巡礼記(62) 〜エズ編〜 エズ村を離れニースの空港へ
エズ村に別れを告げ、帰りの飛行機に乗るためにニースの空港へと向かった
前回の記事
バスでエズ村を出発
私たちはシャトー・エザで昼食を食べ、エズ村の麓へと戻ってきた。 当初はエズ村からバスに乗ってニースまで行き、そこでもう一度バスに乗り次いで空港前のホテルまで行く予定だった。 しかし私たちは結構ギリギリまでお昼を食べていたので、バス停に到着するともう私たちが乗る予定のバスは道の反対側のバス停に到着していた。 バス停まで行くには道を渡らないといけないのだが、エズ村の 麓の大通りは何しろ交通量が多く、ちょっと離れた横断歩道まで行かないと渡れなかった。 こうして私たちは乗るはずだったバスを目の前で見送ったのだった。
Googleマップでニースの空港まで戻る手段を調べたところ、一回反対方面のモナコへ行くバスに乗り、途中でニース空港近くまで行くバスに乗り換えるルートがあるようだった。 時間もちょうど良さそうだったので、私たちはモナコ行きのバスに乗り込んだのだった。
私たちは乗客の中で一番最後にバスに乗ったので、ちょうど乗降口の近くの位置に乗ることになり、バスの前方の景色を楽しむことができた。
ちょうど朝に見にきたバス停だ。 ここでおかしなことに気がついた。 今まで乗ったバスであれば、自動音声でバス停の案内があったのだが、今回乗ったバスは案内がなく、そのまま素通りしていったのだ。 おまけに運転手は客席の最前列に座っていた客とおしゃべりに夢中になっており、とても話しかけづらい。 ちょっと降りられなくなる危機感を感じながらバスに乗り続けた。
ココアが降りたバス停にあった看板をもう一度見ることができた。
さて、ここからは訪れたことのない未知の領域なので、少しワクワクしながら車窓を楽しんだ。
外国の道路標識を見るのも新鮮だ。 これは絵からクラクションを鳴らせということかなと思いきや、速度を取り締まっているから注意してねということらしかった。 わざわざ標識で知らせてくれるなんて親切だ。
しばらく走っていると海が見えてきた。
ここからの海の眺めも綺麗だった。
そこから海が見えたり見えなくなったりを繰り返した。
この道はカーブから見える景色が良く、自分で運転してみたら気持ちよさそうだ。
しばらく進むと分かれ道を左側へと進んだ。
さらに進むとまた海の絶景が現れた。 今走っている海沿いの道は、南フランスで一番いい景色が見られる道なのではないだろうか。
しかし海の景色に見惚れている場合ではない。 スマホのマップを見ると、私たちが降りるべき駅は着々と近づいてきていた。 相変わらず運転手は乗客とのおしゃべりに夢中で、大声で笑いながら話していたので非常に話しかけづらかった。 私は会話を遮って、「すいません、Baudugan (ボドゥゴン)というバス停で降ろしてください」というと、「ボドゥゴン?そこかい?」とバスの前を指差した。 もうバス停は目で見える距離まで近づいてきていた。 「お願いします」と言うと、すぐにバス停に停まって私たちを降ろしてくれた。 危うく乗り過ごすところだったのでヒヤヒヤしたのであった。 それにしても途中のバス停を全て素通りするバスは初めての経験だったし、乗客も誰一人途中で降りようとしなかった。 おそらくエズ村から乗った乗客はほとんどがモナコへ行くのだろう。
バス停でバスを降りて
私たちの乗り換えのバスは、Googleマップによると10分ほどで来るということだったので、道の反対側に渡ってバス停で待つことにした。
何もない中途半端な場所にあるバス停であるが、周囲の景色からリゾート地の雰囲気を感じられるのは流石南フランスといったところだ。
フランスの押しボタンだ。
バス停で待つこと20分程、予定時刻を10分くらい過ぎてもバスが来る気配はなかった。 流石におかしいと思い、バスの運行会社の公式ページで時刻表を調べたところ、なんとGoogleマップの時刻表と全然違ったのである。 Googleマップの時刻が古かったのだ。 そして正しい時刻表によると、次のバスが来るのは2時間後であった。 私たちはバスに乗るのを諦め、大人しくタクシーで空港前のホテルまで向かうことにしたのであった。
タクシーでニースのホテルへ
タクシーはエズ村へ向かう時に使ったアプリで仲間が呼んでくれ、私たちは無事にタクシーに乗ることができた。 タクシーの運転手はイタリア語訛りのフランス語を話す上に、私たちが英語で話しても頑なにフランス語でしか話してくれないので、全く会話が成立しなかったのだが、運転手はなぜかしきりに話しかけてきた。 唯一支払いの時だけ英語を使ってくれた。
コート・ダジュール空港
タクシーの運転手と会話は成立しなかったが仕事はちゃんとしてくれたので、私たちは無事にニースの空港前にあるホテルに到着した。 ホテ ルで荷物を回収し、空港まで繋がるトラムの駅まで歩いた。
トラムの駅で私たちは空港までの切符を買ったのだが、買った後で近くにいた旅行客から、私たちのいる駅から空港までは無料乗車できる区間に含まれているということを教えてもらった。 なんということだろう、来るときも無料で乗ることができたと言うことだ。
トラムで私たちはコート・ダジュール空港の国際線ターミナルに到着した。
歩いて荷物預かりの窓口に進んで行った。
天井で空を泳いでいるのは鯨だろうか。
荷物預かりの場所に到着すると、まだ窓口が開く時間まで30分以上時間があり、人もほとんど来ていなかった。 なので私たちは近くの RELAY と言うコンビニでお菓子をお土産に買って帰ることにした。 私はざっと7000円分くらいお菓子を買ったのだが、スーツケースはスカスカだったので余裕で入った。
コンビニの店員さんは非常に地元愛が強い人で、「私はニースが世界で最も美しい場所だと思います。ニースにまた来ますか?」と聞かれたので、私は「絶対に来ます」と返事をした。 今回の旅行でニースに滞在したのはほんの僅かだったが、隣のエズで見た海のことを思い出すと、ニースも美しいに違いないと思ったのだ。
空港の荷物預かりがある場所の天井は所々に穴が空いており、そこからスポットライトのようなライトがぶら下げられていた。 一見工事中なのかと思ったが前方を見ると穴が規則的に開けられているようにも見え、これが完成形なのかもしれないとも思えるのだった。
大きな穴が開いていない部分の天井は、このように小さな穴から光が漏れており、まるで星のようだった。 しかし天井の大きな穴が目立っているせいで、この部分の飾りにはあまり目が向かず残念だった。
荷物を預かってもらった後は搭乗手続きに進んだ。
ICチップのついたパスワード専用の顔認証で通れるゲートがあったのだが何故か閉鎖されており、普通の有人ゲートを通って搭乗エリアへと入った。
空港の待合エリアは天井が高く、傾いてきた日差しが差し込んで明るかった。
待合エリアで待っていたところ、隣の椅子に座っていたおばさんがスマホを空港の wifi に繋ぐことができず困っていた。 それを見かねた仲間が wifi への繋ぎ方を教えてあげたところ、おばさんはとても感謝してくれ、私たち全員に飴ちゃんをくれた。 どうやら wifi に繋ぐことで家族と連絡をとれたようであった。
しばらく待つと飛行機の搭乗時刻になり、私たちはついに帰りの飛行機に乗り込んだのだった。