ごちうさ聖地巡礼記(45) 〜ストラスブール編〜 フルール・ド・ラパンのモデルとなったレストランで昼食

ごちうさ聖地巡礼記(45) 〜ストラスブール編〜 フルール・ド・ラパンのモデルとなったレストランで昼食

ストラスブール大聖堂の近くのラ・グランド・ダームというレストランへ

Yuri Chayamachi · 16 minute read

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フルールのモデルとなったレストランへ

ストラスブール大聖堂の周りを一周し、壮大なゴシック様式の建築の迫力を味わった私たちは、大聖堂の近くにあるフルール・ド・ラパンのモデルになったレストランへ向かった。 レストランは13時に予約をしてあったので、大聖堂を一周し終わった頃にちょうどいい時間になっていたのだ。

レストランはストラスブール大聖堂の正面方向に伸びるメルシエール通り (Rue Mercière) を進んですぐのところにある。

これはメルシエール通りの景色だ。 大聖堂の正面なだけあって、人の往来が激しい。

通りから大聖堂の方を振り返ると、両脇にある建物で切り取られた景色が全て大聖堂で埋め尽くされており、より大聖堂の迫力を感じる。

少し離れたくらいではカメラの画角に大聖堂を収めることなど到底できないほど大聖堂は巨大である。

通りを少し進んだ右手に、そのレストランはあった。

この角度からみると分かりやすい。

正直似ているといえば似ているだろうか、というレベルではある。 一致している点はアーチ型の窓と、それからフルールの3軒奥にある建物が白い壁の木組みの家という点だろうか。 しかし2番目の点が一致するのはなかなか無さそうなので、やはりフルールの聖地はここで間違いなさそうである。

あともう一点付け加えなければならないことは、実はこのレストランの中身はコロナ禍があった2020年ごろに入れ替わっているのである。 以前はル・ドーム (Le Dôme) というレストランが入っており、そのレストランの時代には1階部分も透明なガラス窓が張られていたので、よりフルールの見た目に近かったのだ。

これがル・ドーム時代の写真だ。(サイト) 現在はラ・グランド・ダーム (La Grande Dame) というレストランになっており、入れ替わる際に1階の窓の部分が白塗りの壁に変えられたようである。 とはいえ、元のレストランにも赤い軒下屋根はないので、フルールのデザインにはモデルからかなり手が加えられているようだ。

大聖堂が大きくて気づかないが、フルールは6階建てのかなり立派な建物である。

立地のおかげもあるのか、1階のテラス席はほぼ埋まっており、レストランは繁盛しているようだった。

しかしこのレストランに入る前に、私たちは少し不安を感じていた。 というのも、1つ目にはこのレストランの予約を取るのに少し苦労したからである。 このレストランをインターネットで検索するとホームページが見つかるのだが、そこには予約用のメールアドレスが記載されている。 私は記載されているアドレス宛に予約のメールを送ったのだが、2週間以上待っても一向に返信が送られてこない。 そこでやむを得ず電話をかけることにした。 この時点でそれほど電話を恐れていたわけではない。 コルマールのラビハのモデルとなったレストランに電話をかけて予約を取ることに成功していたからだ。 しかし、それもこの店に電話をかけるまでだった。 1回目に電話をかけると、相手はフランス語で bonjour! と電話に出てくれた。 だが私が「席を予約したいのですが」と言うと、外国人だと気づかれたのか、すぐに電話を切られてしまったのである。 期待が絶望へと変わり、私はフランスの店へ電話をかけるのが怖くなってしまった。 そのことを仲間に話すと、電話をかけた時間的に店が忙しかったんじゃないかという意見をもらった。 確かに私が電話をかけたのはちょうど現地のお昼時で、google の混雑具合の表示でもかなり混雑していると表示されていた。 そこで私は覚悟を決め、1週間後の空いている時間帯に再度電話をかけてみることにした。 また今回は、電話の一言目で「英語で話してもよろしいでしょうか」と聞き、英語に持ち込む作戦に出ることにした。 再度緊張しながら電話をかけてみたところ、女性の店員さんが前回と同じように bonjour! と電話に出てくれた。 私が「英語でもよろしいでしょうか?」というと、「はい」と答えてくれた。 しかし、またしても問題が発生した。 相手の店員さんが英語を聞き取ってくれなかったのである。 「5月3日でお願いします」と言っても、today? と聞き返されるやり取りが5回ほど続いた後、すいませんとフランス語で言われて電話を切られてしまった。 もはや万策が尽きたかと思われたが、今回は前回と違ってすぐに電話を切られることがなかったので、最後の手段としてフランス語で予約を試みることにした。 フランス語会話のサイトでレストランの予約の表現を頭に叩き込み、再び電話をかけた。 電話に出てくれたのは先ほどと同じ女性の店員さんだった。 「席の予約をしたいのですが」とフランス語で言うと、今度は私のカタコトなフランス語をなんとか聞き取ってくれたようで、そのまま予約の日付と時間と人数を伝えるところまではいくことができた。 しかしその後電話番号を教えてくださいと言われたところで、私は国際電話だということを伝えようとしたのだが伝わらず、コミュニケーションに失敗してしまった。 今回も失敗したかと思われたのだが、店員さんはそのまま電話を切るようなことはせず、「5月3日、13時に4名様ですね?」と最低限の内容を聞き返してくれたので、そうですと答えたところ、「分かりました」と言って予約をしてくれたのである。 これには思わずガッツポーズをしたのであるが、現地でお店に行った時に英語が通じない可能性があることは不安要素として残ったのであった。

もう1つの不安ポイントとしては、このレストランの口コミを調べると、たまに信じられないような内容が書かれていたことである。 例えば「外国人差別をされた」とか、「クレープを頼んだところ、店員さんが机に放り出すように運んできて、クレープが皿から机に落ちたけど取り替えてくれなかった」などである。 このようなコメントは数としてはそこまで多くなかったので、外れの店員を引くとこんなこともあるのかもしれないと言うくらいの考えで行くことにした。

レストランの入り口は通り側にあった。

テラス席の人たちは楽しそうに食事をしていたので、私たちも楽しく食事ができますようにと祈りながら、レストランへと入っていった。

レストランに入り食事

レストランに入ると、私たちの心配とは裏腹に、とても気持ちのいい接客をしてくれた。 レストランに入ってまず出迎えてくれたのは男性の店員の人で、予約の名前を伝えると「4名様ですね?こちらへどうぞ」と言い、2階の一番いい席へと通してくれた。

予約席という札が置かれていたのは、レストラン前の通りがよく見渡せる、アーチ型の窓の正面に設けられたテーブルだった。

2階にはそれほどお客さんが入っておらず、落ち着いて食事をすることができた。

木を基調とした内装がおしゃれだった。

ほんとに外から見えるアーチ型の窓の正面にテーブルが置かれており、外がよく見えて気分が良かった。

注文を取りにきたのは女性の店員さんで、私たちが旅行客であることに気づいたのか、まず「英語を話しますか?」と聞いてきてくれた。 店員さんは英語が流暢で、とてもスムーズに注文をすることができた。

私はフルールの店だということで、ホットティーを注文した。 今考えるとハーブティーを注文すべきだったの思うので、痛恨のミスである。

私は胃袋の温存中だったので、リクヴィールのレストランで注文したのと同じ、山羊のチーズがバゲットに塗られたものが乗っているサラダを注文した。 こちらの店はベーコンがカリカリになっていてとても美味しかった。

またこのレストランにもタルトフランベが置かれていたので、グラタン風味のものを注文し、皆で分けることにした。 このレストランもアルザス料理店で、味が非常に美味しかった。

大聖堂前の大通りを見下ろしながら食べる食事はとても美味しかった。

ストラスブール駅へ戻る

フルールのモデルのレストランの食事に大満足した私たちは、ストラスブール駅に戻ることにした。 ただ、来るときと同じ道をそのまま戻ってはつまらないので、レストランを出てメルシエール通りを大聖堂の方へ戻らずに、反対側へと歩くことにした。

すると通りの突き当たりに、中央に回転木馬が置かれた賑やかな広場を見つけた。 グーテンベルグ広場 (Pl. Gutenberg) というらしい。

突き当たりを右に曲がると、グラン・アルカード通り (Rue des Grandes Arcades) に入った。 クレベール広場からまっすぐ歩いてくるとここに行き着いたようだ。

通り沿いにあるワッフル屋さんのテラスがおしゃれだった。

丸い輪っかのある鉄人広場からは来た時と同じ道だ。

このカーブした建物が立派だ。

クス橋を渡り、グラン・ディル地区を抜ける。

元来た駅の方へ続く道を戻っていく。

道沿いのストラステレコムで預けていた荷物を無事に受け取り、私たちはストラスブール駅へと戻った。 時間にして4時間前後しか滞在できなかったので、フルールのモデルとなったレストラン以外にはストラスブール大聖堂の外観を楽しむくらいしかできなかったのだが、このストラスブールという街にはまだまだ魅力的な観光スポットがたくさんある。 特に、プティット・フランスという地区にはコルマールと同じような木組みの街が広がっているようである。 また次の機会には、ストラスブールをゆっくり見てまわりたいと思ったのであった。

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