ごちうさ聖地巡礼記(2) 成田からワルシャワへ

ごちうさ聖地巡礼記(2) 成田からワルシャワへ

飛行機で乗り継ぎ地のワルシャワへ

Yuri Chayamachi · 7 minute read

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乗り継ぎ地のワルシャワへ

飛行機は成田空港を離陸し、ポーランドの首都ワルシャワへ向かう。飛行機の出発前に、機内の BGM でショパンの英雄ポロネーズが流れていたのを思い出す。そういえばショパンの生まれ育った地はポーランドだったか。国が誇るピアニストの曲を BGM で流していることに愛国心を感じた。

出発時刻は日本時間の午後9時50分だ。ここから13時間のフライトの後、ポーランド時間の朝4時に到着する。つまり、飛行機に乗っている間はずっと夜の状態にある訳だ。不思議体験の始まりである。

飛行機が離陸すると、いきなり機内食が配られ始めた。海外へ行く飛行機では飛び立ったら時間が何時であろうと、とりあえず強制的に食事を食べさせられた後に寝させられる訳だが、このスタンスは嫌いではない。現地に着いたらタイムゾーンが変わっているので、飛んでいる間は時間を忘れてくださいといったノリだ。1回目の機内食は、お決まりの "Beef or Chicken?" という質問をされたので、ビーフを選択した。飲み物は何があるかと質問したところ、ブラックオレンジジュースという飲んだことがないジュースがあったので、そちらを注文した。その土地でしか味わうことができないものは積極的に食べていきたい。

味のほうは、メインディッシュの味が美味しかった。ブラックオレンジジュースは甘さや酸味が控えめで、落ち着いた味わいでとても気に入った。日本でも売っていれば普通に飲みたいところだ。

食事の後は機内が暗くなったので睡眠時間だ。正直、自分は乗り物の中で寝るのが非常に苦手だ。行きの飛行機の中では2時間ほどしか寝れなかった。もう少し寝て到着までに体力を回復しておこうと苦闘しているうちに、ワルシャワ到着前の機内食タイムが訪れた。

今度は選択権が与えられず、全員パスタだった。パスタの味付けはホワイトソースとチーズの味で、チーズが大好きな私にとってはなかなか好評価だった。コーヒーの味は会議の時などによくコーヒーサーバーに入っているような味だ。

飛行機の航路をマップで見ると、見事に巨大な国を回避するルートをとっていた。いつかまたこの国の上空を飛べる日が来るのだろうか。早く平和になってもらいたいものである。

朝食を食べ終わる頃には、長い夜が明けてきていた。夜が長いと太陽のありがたみをより強く感じる。

飛行機を降りると、空港まで運んでくれるバスが待機していた。旅行するときに意識するのは、その土地の空気の香りである。ワルシャワは、北国特有の香りがした。例えるのが難しいが、日本だと北海道や、標高の高い高原の香りに近いだろうか。そんなことを考えながらバスに乗り込むと、車内には日本人が私たちだけだった。ヨーロッパの人々に囲まれていると、海外に来たのだなという実感がより強まった。

空港へ着くと、出発国がシェンゲン協定加盟国か、そうではない国かで入り口ゲートが分けられていた。シェンゲン協定とは、ヨーロッパの国家間において国境検査なしで国境を越えることを許可する協定である(wikipedia より)。シェンゲン協定加盟国以外から入国する場合、ここで手荷物検査などを受けないといけない。

表示に従って進んでいくと、手荷物検査の場所へ到着した。手荷物検査のスタッフが軍隊にいる人かと思わせるほど屈強な人だったのを覚えている。この人に逆らったら絶対に勝てないと思いつつ、大人しく手荷物検査を受け、何も問題なく検査を受け終わったと思った矢先、仲間は何事もなく空港方面のゲートに向かったのだが、私だけ女性のスタッフに呼び止められ、いくつか質問をされた。質問の内容は3つ、「どこから来たのですか?」「どこへ向かうのですか?」「旅券の金額はいくらでしたか?」だった。私は平常心を平常心を欠いていたため、最後の質問に対して「5000ユーロです(日本円で75万円)(ユーロをフランス語読みで)」と答えてしまった。きっと私のことを金持ちのパリジャンだと思ったに違いない。しかし何故私だけ呼び止められたのか、いまだに謎である。

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