ごちうさ聖地巡礼記(13) 〜コルマール編〜 コルマール2日目の朝

ごちうさ聖地巡礼記(13) 〜コルマール編〜 コルマール2日目の朝

コルマールで迎える最初の朝は、早起きして散策をした

Yuri Chayamachi · 12 minute read

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朝とトラブル

コルマールの朝は早い。 物理的にである。 というのも、コルマールの緯度は北海道よりも高いので、夏は日がとても長いのだ。 昨晩日が沈んだのは夜8時ごろだったのだが、朝4時くらいには日が上り始める。 私が寝ていた部屋には天窓が付いていたので、そこから差し込む日の光で目が覚めた。

リビングの部屋の窓からはロシュ川が見える。 昨日はあれほど観光客で賑わっていた川沿いも、朝は人がまばらだ。

洗面所を使いにトイレに行くと、床が水浸しになっていた。 というのも、昨晩色々あったのだ。 少し寝る前の経緯を話そう。

昨晩アパートに戻った私たちは、どちらの寝室で寝るか組み分けを行った。 アパートに寝室は2つあり、1つは1階の部屋で、もう1つは階段を上ったロフトの上である。 ごちうさの旅行回と同じくじ引きで組み分けをしようということで、あみだくじを行い、私は1階の寝室になった。 寝室が決まったら、シャワーである。 浴室にはシャワーブースとトイレが設置されており、一人ずつシャワーを浴びていこうということになった。 シャワーの順番決めもジャンケンである。 私は3番目になった。

前の人のシャワーを待っていたのだが、2人ともシャワーを浴びるのが非常に長い。 1人あたり20〜30分くらいかかっていただろうか。 シャワーなのに何でそんなに時間がかかるのだろうと思っていたのだが、私の番になると原因が判明した。 シャワーブースの排水がよくないのだ。 さらに、シャワーブースには扉がなく、床にはなだらかな傾斜がついているだけだった。 床に1cmでも水が溜まれば外に溢れてしまう。 これは構造的に欠陥なのではないかと思いながらシャワーを浴びたのだが、これには非常に苦労した。 20秒シャワーを浴びたら水が引くのを1分待つ、といった風にして、何とか水を溢れさせずにシャワーを浴びた。

シャワーを浴び終わるとすでに日付が変わる時刻になっていたので、私は先にベッドに入らせてもらうことにした。 しかしベッドに入って20分ほどすると、何やら騒がしい。 ベッドを出て浴室の方へ行ってみると、浴室周辺の床が洪水になっていた。 どうやら最後にシャワーを浴びた仲間が、排水を気にせず豪快にシャワーを浴びたようである。 幸いアパートにはバスタオルが大量に備え付けられていたので、それらを床に敷いて浴室の外に溢れた水を拭いた。 だが浴室の中も一面が水浸しになっていたので、バスタオルで大まかに水を拭いても拭ききれず、朝まで自然乾燥させようということになったのである。

ということで朝を迎えたのであるが、乾燥し切っておらず、浴室の床は水でツルツルなのであった。

余談ではあるが、他にシャワーで苦労した点は、水が硬水であるということだ。 硬水というのはミネラル分を多く含む水で、石鹸が泡立ちにくいのだ。 あとは私の髪質の問題かもしれないが、シャワーを浴びた後に髪がゴワゴワになってしまった。 ヨーロッパで暮らすためには、水質にあったシャンプーなどを使った方がいいのかもしれないと思ったのであった。

朝のコルマール

時刻は朝の6時だが、リビングに行くと他の仲間も2人ほど起きてきた。 しばらく朝のコルマールを眺めながら話していたのだが、そのうちに散歩に行こうという話になった。 もう1人も起きてきて、全員で朝のコルマールを散歩することになった。

アパートがあるポワソヌリ通りにはほとんど人がおらず、この美しい街並みを贅沢にも貸し切っているかのような感覚だ。

朝の静かなロシュ川も美しい。

人が少ないので、ときめきポポロンのカット回収を行った。 ちょうど橋の右端の位置から撮るとそれらしい構図になった。 建物の高さや色がそのまま描かれているので、本当にここでチマメ隊がダンスをしていたのだと感じることができる。

チマメ橋でカット回収をした後は、ポワソヌリ通りをラビットハウスとは逆の方向へ歩いてみることにした。

川のへりにある柵にはハート型の錠がたくさんついている。 多分ここは恋愛スポットなのだろう。

川のほとりにある、植木で囲まれたレストランの脇から見たロシュ川が綺麗だった。

道の左側には自然史博物館があった。

カラフルな家が並ぶ細い道を歩いていく。

歩いていくと、テュレンヌ通り (Rue Turenne) という大きな通りに出た。

道の両側には、お土産ショップや肉屋などの店が並んでいる。

テュレンヌ通りの店を見ていると、道を歩いてきた地元のおじさんが「あそこのパン屋が開いているよ!」と話しかけてきてくれた。 というのも、フランスでは日曜日は店が閉まっていることが多く、とはいえ全て閉まっていては住民のご飯がなくなってしまうので、持ち回りで少数の店舗が営業するシステムらしいのだ。 私たちは親切なおじさんのおかげで、開いているパン屋を知ることができた。

パン屋には日曜日の早朝なのに、お客さんが絶えずやってきていた。 パンはショーケースの向こう側に並んでおり、店員さんに頼んで取ってもらう形式だった。 現金で払うお客さんが多かったが、カードが使えるかと聞いてみると「もちろんです」と言ってカードで支払うことができた。

パン屋で朝食を買った後は、行きと違うルートでアパートに戻ることにした。

帰りに通った道の脇には、窓枠に綺麗に花が飾られた家があった。

トラブルと朝食

アパートに着いて部屋の鍵を開けていると、隣の部屋の扉が開いて、隣人が話しかけてきた。 ヨーロッパ系のおじさん達で、ドイツ語を思わせるような発音だった。 「おはようございます」と爽やかに返したのだが、どうやら挨拶をするために話しかけてきたのではないらしい。 どうしましたか?と尋ねると、昨晩屋根から水漏れがあったので、今晩からはシャワーを浴びるのを控えてほしいと言われた。 部屋の構造的には、私たちの部屋は隣人の部屋の1つ上の階にある。 そして、水漏れの原因はおそらく昨夜の水浸し騒動のせいだろう。 シャワーを浴びることができないのは辛いため、「水漏れの心当たりがあるので、対策をした上でシャワーを浴びさせてほしい」と伝えたところ、一応承諾をしてもらえた。 危うくシャワーを浴びれなくなるところだったので、危機一髪だ。

部屋に戻り、買ってきたパンを食べた。 私はクロワッサンと、ミニクグロフを買った。 クグロフ (Kugelhopf) とは、フランス、オーストリア、スイスなどでよく食べられている伝統的な焼き菓子で、洋酒に漬け込んだドライフルーツが入っているのが特徴だ。 通常のクグロフはホールケーキほどの大きさなのだが、パン屋にはミニサイズのものが売っていたので、そちらを買ってきたのだ。

朝のコルマールを眺めながら食べる朝食はとても気分が良かった。

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