ごちうさ聖地巡礼記(11) 〜コルマール編〜 ラビットハウスで食事

ごちうさ聖地巡礼記(11) 〜コルマール編〜 ラビットハウスで食事

ラビットハウスのモデルとなったレストランで食事

Yuri Chayamachi · 12 minute read

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ラビットハウスへ

アパートに荷物を置いた私たちは、急いで予約していたレストランへ向かった。 予約していたレストランは、アパートから徒歩で10分ほどのところにある。 アパートへ入るのに手こずったため、アパートを出た時にはもう予約時刻を過ぎていたので、急いで向かわなければならない。 とはいえ、コルマールに到着したばかりの私たちは、周囲の美しい風景に目を奪われて、レストランまでの道中では写真を撮らずにはいられなかった。

写真はアパートの扉を出てすぐに見える眺めだ。

チマメ橋の1つ隣の橋からの眺めだ。 コルマールの中心をロシュ川 (La Lauch) という小川が流れており、川の両側は特に美しい地区になっている。

レストランの通り道にはおしゃれな公園があった。

しばらく歩いていくと、シャスール通り (Rue du Chasseur) という細い通りに出た。 通りの真ん中あたりに、そのレストランはあった。

これこそがごちうさのラビットハウスのモデルになったレストランである。

建物の色は違うけれど、屋根の角度や、家の正面の上部に開けられた丸い窓、その下にある木の扉がついた2つの四角い窓、正面右側にある入り口など、似ている要素がたくさんある。 それにしても、ラビットハウスのモデルがレストランで幸運である。 モデルとなった建物の中でゆっくりと食事を堪能しながら時間を過ごすことができるのだから。

現実のレストランの本当の名前は、レストロン・オ・シャッシュール (Restaurant au Chasseur) である。和訳すると「シャスール通りのレストラン」といったところだろうか。 このレストランはコルマールの観光パンフレットにも載っており、「伝統的なアルザス料理レストラン」であるとのことだった。

レストランで食事

レストランに入ると、こじんまりした店内は1つのテーブルを除いて満席だった。 店内にカタコトの挨拶で「ボンジュール」「ボンスワール」と言って入っていくと、店内が一瞬静かになった。 マダムが出迎えてくれたので、「テーブルを予約していたのですが」と言うと、「4名様ね?そちらのテーブルにどうぞ」と、空いているテーブルに案内をしてくれた。 店内の客たちは私たちが怪しい者ではないと分かったのか、それぞれの会話に戻っていった。 予約をしておいて正解だった。 でなければ到着した土曜日に食事することはできなかっただろう。

店内は1階が丸ごとレストランフロアになっていて、小じんまりした建物ながら、5つほどテーブルが納められていた。 厨房は2階にあるようで、店員さんが2階から料理を運んできていた。 フロアはこの店を仕切っている眼鏡をかけた年配のマダムと、若いマダムの2人で回していた。 二人ともとびきり愛想の良い接客をしてくれた。

テーブルには赤いチェックのクロスがかけられており、電球で照明をとっているやや暗めの店内を華やかに彩っていた。 私たちが席に着くと、年上のマダムがメニューを持ってきてくれた。 "merci" とお礼を言うと、"service!" ととても愛想の良い口調で返してくれた。 「これはサービスだからお礼なんていいのよ」といったところだろうか。 しかし全てにおいてとても心地のいいサービスをしてくれたので、その度に私たちはお礼を言い、"service!" と返されるやり取りを繰り返したのだった。

しばらくメニューを眺めていると、ご注文は決まりましたか?と声をかけられた。 私たちはもう1人の仲間とレストランで合流することになっていたので、合流してからメインディッシュなどを注文したいところだ。 「仲間がもう一人来るので、軽く前菜とかを頼んで、仲間が来てからメインディッシュを注文してもいいですか?」と聞いてみた。 すると、厨房の都合で注文は一度にまとめてしてほしいと言われた。 きっとワンオペで調理をしているのだろう。 「仲間が来てからまとめて注文してもいいですか?」と聞くと、それなら構わないということだったので、席に着いたまま仲間を待つことにした。 「飲み物だったら先に注文してもいいですよ」と言われたので、3人でワインを注文し、ワインを楽しみながら待つことにした。

ワインを 25cl の大きさで注文すると、味のある陶器製のデキャンタに入れて出してくれた。 (フランスでは cl センチリットルという単位が飲み物の容量として広く使われているようだった。25cl = 250ml だ。) よく見るとブドウの模様が入っている。 私はアルザス地方で有名なリースリング (Riesling) という白ワインを注文した。 実は私たちは旅行前に、予行演習として東京の浅草橋にあるアルザス料理店で食事をしたのだが、その店もリースリングを置いていたので、そこでも私はリースリングを飲んでいた。 しかし現地のリースリングと飲み比べてみると、現地の味は東京で飲んだものよりも結構酸味が強めの味だった。 香りを嗅いでみると、とても上質なブドウの香りがした。 ワインの本場で飲むワインはこんなにも美味しいのか、と感動しながら、ワインを嗜んだ。

そんな風にワインを飲みながら話していると、もう一人の仲間がレストランに到着した。 これで旅行のメンバーが全員揃ったことになる。 晴れて全員が揃ったので、料理のメニューを注文することにした。 メニューには季節のコース料理も載っていたが、色々食べたいので、単品で注文していくことにした。

エスカルゴは身もしっかりしていて美味しかったし、ソースが絶品だった。 残ったソースをバゲットに付けて食べると唸るほど美味しい。

テリーヌはお肉のしっかりしたものだった。 付け合わせの根セロリのサラダが美味しい。

こちらはカエルの足をソテーしたものだ。 カエルの足は筋肉質で、鶏肉のような食感だった。 味付けが非常に美味しい。

カエルについて来たバターライス。

こちらは仲間が注文した「最高裁チキン」だ。 ラビットハウスにもちゃんとあった。 (何だか分からない人はパリ編の記事を読んでほしい。)

そしてこちらがお目当てのタルトフランベだ。 東京のアルザス料理店であまりの美味しさに虜になってしまった料理である。 トマトソースの代わりにホワイトソースをベースにしたピザのようなもので、非常に薄く伸ばした生地の上に玉ねぎとベーコンを乗せて焼かれている。 本場のタルトフランベはどれほど美味しいのだろうかと高い期待をしていたのだが、その高い期待をしっかりと上回ってくる美味しさだった。

ラビハのご飯はどれもとても美味しく、長い旅の疲れをすっかり忘れるほどだった。 コルマールのラビットハウスのモデルとなったレストランで、絶品の料理を頬張る。 何て幸せな時間の使い方だろうか。

会計の後、年上のマダムに「美味しかったです」と伝えると、「あら美味しかった?また火曜日に待ってるわね」と言ってくれた。 3日後の火曜日にも予約していたので、また来る予定なのである。 また何度でも来たいくらいだと思いつつ、私たちはすっかり日が暮れたコルマールの街を歩いてアパートへと戻っていった。

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